手すりに手をかけた私につられて、久遠くんが隣に来る。
「ここね、なんかもう嫌だーって思った時に来るの。」
私だけの秘密の場所。
私のことをなんでも知ってる茉優も知らない場所。
…たまに、どうしても苦しさを処理しきれない時がある。
茉優には話せない、ドス黒い感情が湧く時だってある。
「私が私であること」に耐えきれなくなる時がある。
「辛い時にここに来ると、なんだか、自分って小さいなーって思うの。」
私が持っている悲しみがまるで空に吸い込まれるようで、なんだか洗濯されたような気持ちになれるんだ。
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