ダメ。俺のそばにいて。






ざわざわとした教室を横目に、小走りすると階段付近でうずくまった何かを発見する。



…なにあれ、リス?



私が近づくと、ピク、と反応するハチミツ色のフサフサの髪。



「あ」


振り向いた顔が、そんな声を出す。



ああ…、ごめん、リスなんかじゃなかった。



この学校のプリンスだ………。




グレーの瞳は微かに疲れていて、立ってる私を見上げてくる。




「ど、どうしたの久遠くん…。」



「いや、なんか、ハンターに追われてて…。」



「ハンター……?」



首を傾げると、後ろから「プリンス見た!?どこいった!?」なんて甲高い声がした。



ハンター…、納得。



「もう…、無理。帰りたいのに。なんで俺なんか追いかけるんだろう、時間の無駄じゃない?」



いや、こんなイケメンを追いかけるなんて全然無駄じゃないと思うけど…。



でも確かに、スクバを抱えた久遠くんはめんどくさそうで、今にもここから去りたそう。



あの女子達に捕まったら、3時間は絶対に帰れないコースだし。