思わず悶えそうになった時、バタバタと何人かの足音が駆け込んでくる。
「誰もいないよ!?」
「え…ここにもいないなんて、そんなことある!?もう、どこにいるの久遠真尋!」
「あ、でもなんか屋台の食べ物あるよ、誰かいたのかな?」
うわあああ!それ私のです!
さっきまでのドキドキとはまた違うドキドキが私を襲う。
会話聞いている限り久遠くんの追っかけかクラスの女の子だよね…!?
この体勢見られたら、もう終わりだ…!本当に終わりだ…!
お願い…、もう何も気づかないで!ていうか早く去ってくれないと両方のドキドキによって私が倒れる!
「いや、シフト詰めで買う時間なんてなかったし、プリンスのじゃないでしょ。」
「確かに。ええ〜…、ここ以外どこにいるの!他行こ!どこいったんだろ─…」
私の願いが通じたのかなんとか気付かれずに、女の子達は去っていく。
ホッとため息をつけば、締め付けられていた力が緩まる。

