顎を私たちが向かい合っている机の上に置いた難波くんは、チラッと上目遣いで見てくる。




「せっかくの学園祭なんだから、一緒にいたかったな〜。」



「ふふっ、逆に茉優は、星玲奈と一緒に回れるの楽しみっ。去年はダメだったもんね?」



「休憩も被らなかったし、クラス違ったしね。」




今年も茉優とは回れないだろうなと思ってたから、私もなんだかんだ楽しみかも。




明日なんてちょっと実感ないなあ。




なんて考えていたら、難波くんに「ふっ」と笑われた。




「な、何笑ってるの。」



「いや、2人仲良いなあ〜って思って。」



「茉優と星玲奈?そりゃそうだよ、ずっと一緒だもんっ。」





そう言った茉優に、「ふうん…」と呟く。




何か言いたげな顔してたけど、難波くんは、取り巻きガールズに呼ばれるままに「じゃあね」と去っていった。





…そういえば、3人で話すときに茉優だけじゃなくて私にも話振ってくれる男子なんて、珍しいかも。




なんて、本当に、どんだけ日陰人生だ。