そんな俺に……父さんは、

『お前は、養子でもあるから
周りの目も厳しくなるだろう。だからこそ
まず下で働き実績を上げ人脈と結果をたくさん作れ。
そうすれば、俺が一気に上げてやると……』

目標を作ってくれた。

養子だからと否定をされる訳ではなくて
立ち向かって行けと…道標を作ってくれた。

俺は、初めて必要とされる人間になれたと思った。

自分の生きている意味。
これから目指す目標。やっと
自分の存在意義を見つけたんだ。

なのに……。
またあの人は、俺を悩ますのか?

ずっと奥底に眠る感情を制御が出来るように
なってきたのに。
会ったりなんかしたら……また溢れ出す。

俺は……あの人に会ったら
自分を抑えられる自信なんてない。

今だって……震えているのに。

恐怖が……。

あの人を殴りそうで怖いんだ。
過去に引き戻されそうで……。