ちゃんと確かめていたら
こんな勘違いをしなくて済んだのに……。
すると和也さんは、また切なそうな表情をした。
「俺さ……春花の気持ちは、嬉しいけど
前に話した通りにまだ怖いんだ。
あの件から少しは、前向きになれたと思う。
でもまだ、恋愛とか自分に自信が持てなくて
どこか弱腰になっている。
恋愛とか、今は……ちゃんと考えられない」
「……ごめん」と謝られた。
私は、それを聞いてハッとした。
和也さんにとったら恋愛は、
トラウマを引き起こすキッカケになってしまう。
だから怖いのだろう。
なのに……私は、自分の気持ちばかり優先した。
彼に気持ちを押し付けていた。
フラれても仕方がない。
しゅんと落ち込むと和也さんが
「春花。そんな俺でも……いいか？」
えっ？
和也さんを見ると真剣に私を見てた。
真剣に私と向き合おうとしてくれていた。
