綾はベッドの上に下ろされた。


綾「ゆきにぃ…」

ゆき兄は驚いたように

雪彦「ん?どうした?寂しい?」

綾「うん」

と言うとくすくすと笑い

雪彦「素直でいいこ」

と撫でてくれる

雪彦「少し起きあがれる?」

綾「うん、大丈夫」

そう言うとゆき兄はふたのついたコップを差し出して

雪彦「のんで」

と渡す。


コップは小さい頃からペットボトルで飲むのが苦手ででも、蓋がないと飲みきれないからと言ってゆき兄が買ってきてくれた。


綾「ありがとう」

そう言ってのむ。

冷たいものは体にあまり良くないから飲むことはない。

だからといって熱いもの…は苦手で…

ミネラルウォーターを少し温めたものは発作で火照った体には少し冷たいくらいで飲みやすかった。

綾「おいしい…」

と言ったけど2口くらいでおなかいっぱいになってきたので蓋を閉じてベッドサイドにある机に置く。

少しするとスーツかららふな格好になったゆき兄が戻ってきてベッドに入ってきた


雪彦「あーちゃん、もう大丈夫?」

綾「うん」

するとヒタッと額に冷却シートが貼られる

綾は昔からこれを付けると病人と改めて思ってしまうから嫌だと言っている

綾「ゆきに…?冷たい~」

と言って抵抗するけど

雪彦「んー我慢な~」

と返ってくる

そんなことを言いつつ、ゆき兄にギュッと抱きつく。

雪彦は少し目を細めて

雪彦「あーちゃん?息苦しくなったらやめるんだぞ~」

と言いつつ背中に手を回しトントンとリズムよく背中を叩く。

綾「ぅ…ん~」

もう眠そうで話はほとんど聞いていないだろうなぁなんて雪彦は思いながら

雪彦「おやすみ…あや…」

その声を聞いて私は眠りについた