学校につくともう既に私のクラスは賑わっていた。

「あれ?彩音今日はなんか可愛いね」

そんなイラッとくるような言葉を悪気もなく言ってくるショートカットの子は高坂凛、私の親友だ。

「今日は、ってどういうことよ。」

「だっていつもの彩音は前髪がぐしゃってなって見るからに髪の毛とかさずにそのまま学校来ましたって感じじゃない?」

「まぁ今日はいつもより早く起きれたからねいつもよりは身だしなみに気をつけたもの」

「いつもそうすれば彩音は顔はいいんだからモテモテになれるよ!」

貶してんだか褒めてんだかわかんない凛の言葉に適当に相槌をうっていると

「よぉ、金森、高坂おはよ」

低い声が私たちの間に入ってきた。

一気に心拍数が上がる私に気づいたのか凛がにやにやしながら

「おはよう太陽くん」

そう言ってそそくさとその場をあとにした。

私も早く挨拶しないと、
おはよう?おはようございます?おっはー?
どうしようどうしよう―

結局私は

「おっす」
そう言うのが精一杯だった。
太陽は私の声を聴くと満足そうに男子の群れへと消えていった。

「ほら彩音ちゃんと挨拶できたの?」

凛の声にうんともいいえとも言えない曖昧な返事をした私は占い一位なんてとこれもまた占いのことを考えていた。