「なっ、えっ!?あの、ど、どうして私の名前を……私この姿なのに…えっ、ていうか私を探していたって、どういう…?」

そう、私の今の姿は本来の私の姿とは年も見た目も違う。
それに加えここは私がいた世界から100年後の世界。
私だと分かるはずがないし、そもそもこの時代の人が私を知っているはずがないのだ。

「まぁ落ち着け。取り敢えず順番に話すけど…お前、ここの人たちの目を見て何か気が付かなかったか?」

「目……?あ、そういえば…」

ここに来てから私が目を合わせた人は二人。
大和撫子さんと、今目の前にいるイケメン。

二人に共通していることはどちらも綺麗な赤色の目をしていた事だ。

カラコンだとは思えない、なのに自然な赤色の目。

「目が…赤かったです。」

私がそう言うとイケメンは満足そうに頷き、ニヤリと笑った。

「そうだ。目が赤い。それがこの時代の人間の最大の特徴だ。なのにお前の目は黒。
だからすぐにこの時代の人間じゃないと分かったんだ。お前が、俺の探している人間だっていうことも加えてな。」

「そうだ…私を探していたってどういう事なんですか?そもそもあなた一体何者?てか名前は?」

「そういえばまだ名乗ってなかったな…俺の名前は羽川 陸斗(はねかわ りくと)
なぜお前を探していたかは今から説明する。」

そういうと羽川さんはコーヒーを一口飲みカップを机に置いて向かいにいる私の方へ少し身を乗り出してきた。

「いいか…今から言うことは絶対にそこら辺の無関係な人にペラペラ喋るんじゃねぇぞ…分かったな?」

「わ、分かりました。」

ドスのきいた声で目の前で囁かれ、どうにか返事をするが、いや超怖い。迫力ありすぎ子供泣くわ。

「よし、なら説明する。」

そう言うと羽川さんは周りを見渡し、周りに客がいない事を確認してから口を開いた。




「単刀直入に言うと、俺がお前を探してたのは俺が元の時代に帰るためだ。」