公園を出て15分程歩き、ついたのはオシャレなカフェだった。

ドアを開けると美人な女性店員が出迎える。

「いらっしゃいませー2名様でよろしいでしょうか?お好きな席へどーぞー」

まだお昼時じゃないからか、店内はちらほらとしか人がいなかった。

お店の一番後ろの窓際の席に座り一息ついたところで彼が言った。

「さて…まだ混乱してると思うけど何か聞きたいことはあるか?」

「え、えと…迷子の人…大丈夫?」

そう。この人、私の目を見た途端に顔色変えてすぐにこの店に来たもんだから、当初の目的の迷子探しは中断していることになる。

すぐに見つけなきゃまずい…みたいなこと言ってたし、私とこんなとこでお茶してていのかな?

「あぁ、それなら問題ない。もう見つけたからな。」

ん!?みつけた!?

「えっ!?見つけたって……え、いつ?どのタイミングで!?」

一応お店の中なので声をひそめながら彼に聞く。

だって、ここまで移動してくる間、私たちの中に会話は無かったし、彼だって誰かを探しいていた様子はなかった。

いや、まてよ私…もしかしたら他にもその迷子の人を探していた仲間的な誰かがいて、その人が見つけてくれたのかもしれない。

それで未来的な道具を使って彼に見つけたって報告しただけかも!

「いや、迷子を探していた仲間的な誰かもいなければ未来的な道具を使って報告もされていない。俺が見つけた。」

「え!?心読んだ!?」

「違う。声に出てた。」

「マジか!!!」

「さっきから声がでかい」

「あ、ごめんなさーい…」

どうやら声はひそめられていなかったようだ。

「えと…それで、どうやって見つけたんです?私と会ってからは、その人を探していた様子もなかったですし。」

「ああ、探してたのはお前だからな。綾瀬希空。」