「太陽、大好きな林檎ジュースだよ」
日向は太陽の目の前に林檎ジュースの入ったコップを差し出す。
だけど、太陽は見向きもしなかった。
母親が仕事に出掛けてはや三時間。
太陽は何も食べないし、飲みもしなかった。
『水分はきちんとあげなさいよ。脱水になったら大変だからね。』
お母さんの言葉が蘇る。
だけど、太陽は飲んでくれなかった。
「ねぇ、太陽。少し飲んでよ」
口元までコップを差し出すと、太陽はコップを払い除け、林檎ジュースは床へと飛び散った。
「何するのよ!」
あー、イライラする!
日向は太陽の頭を軽く叩いた。
「ふぇっ」
泣き出しそうな太陽を無視し、日向はキッチンから取ってきたフキンで床にこぼれたジュースを拭きあげる。
「あ…れ?」
太陽の前にこぼれたジュースを拭きあげようとした瞬間。
太陽の異変に気が付く。
「顔色がへん」
今まで、林檎のようなホッペだったのに。
全体的に黄色い。
熱が下がったのかと思い、額に手をやると、一度触った時以上に熱い。
それに…。
「ふぇ。ふぇ。」
かすれた声に、泣き出しているのに、太陽の目から涙もでてこない。
「なんでよ」
フキンを投げ捨て、すぐさま、体温計を太陽の脇に挟む。
抱きかかえると、汗ばむほどの暖かさ。
日向の腕から動かない太陽。
ピピピ。体温測定終了の音と同時に日向は体温計を取り出す。
「39度4分」
上がってる。
お母さんが帰ってくるまでにまだ4時間以上ある。
「どうしよう」
日向は焦った。
お母さんに連絡する?
だけど、連絡したところで、帰ってきた事が一度でもあった?
それよりも。
「病院に行こう」
お母さんの勤めいる病院は救急外来があったはず。
そこに行けば、なんとかなるかも。
日向は、バッグにオムツや飲み物、ハンカチなどを詰め込み、太陽を抱えて、電話で呼んだタクシーに乗り込んだ。
「光の浦総合病院まで!」
日向は太陽の目の前に林檎ジュースの入ったコップを差し出す。
だけど、太陽は見向きもしなかった。
母親が仕事に出掛けてはや三時間。
太陽は何も食べないし、飲みもしなかった。
『水分はきちんとあげなさいよ。脱水になったら大変だからね。』
お母さんの言葉が蘇る。
だけど、太陽は飲んでくれなかった。
「ねぇ、太陽。少し飲んでよ」
口元までコップを差し出すと、太陽はコップを払い除け、林檎ジュースは床へと飛び散った。
「何するのよ!」
あー、イライラする!
日向は太陽の頭を軽く叩いた。
「ふぇっ」
泣き出しそうな太陽を無視し、日向はキッチンから取ってきたフキンで床にこぼれたジュースを拭きあげる。
「あ…れ?」
太陽の前にこぼれたジュースを拭きあげようとした瞬間。
太陽の異変に気が付く。
「顔色がへん」
今まで、林檎のようなホッペだったのに。
全体的に黄色い。
熱が下がったのかと思い、額に手をやると、一度触った時以上に熱い。
それに…。
「ふぇ。ふぇ。」
かすれた声に、泣き出しているのに、太陽の目から涙もでてこない。
「なんでよ」
フキンを投げ捨て、すぐさま、体温計を太陽の脇に挟む。
抱きかかえると、汗ばむほどの暖かさ。
日向の腕から動かない太陽。
ピピピ。体温測定終了の音と同時に日向は体温計を取り出す。
「39度4分」
上がってる。
お母さんが帰ってくるまでにまだ4時間以上ある。
「どうしよう」
日向は焦った。
お母さんに連絡する?
だけど、連絡したところで、帰ってきた事が一度でもあった?
それよりも。
「病院に行こう」
お母さんの勤めいる病院は救急外来があったはず。
そこに行けば、なんとかなるかも。
日向は、バッグにオムツや飲み物、ハンカチなどを詰め込み、太陽を抱えて、電話で呼んだタクシーに乗り込んだ。
「光の浦総合病院まで!」
