「だよねぇ」
ちさも一緒に新任の先生のチェックに入るが、何度捜しても女の人の姿しかなかった。
女子高だからか、先生の比率も男３対女７という割合。
「えー、次に新任の先生方の紹介を行います。」
放送部の声と同時に新任の先生達が立ち上がる。
だが、やはり女の人ばかりだ。
新任の先生達が教壇の方へと歩き出したと同時に、体育館のドアが勢いよく開いた。
「すみません、今日から保健医となります、椿修平です。」
走って来たのだろう。息を切らしながら教壇の方へと歩き出す。
サラサラな髪。
ノリのきいた白衣。
整った顔。
くっきりの二重まぶた。
１８０センチ近くの身長。
教壇まで行くと、椿修平は一つ深呼吸をし、息を整えた。
唖然とした全員をよそに、椿修平はマイクを片手に挨拶を始める。
「産休に入った、田中先生の代わりを勤めます、椿修平です。これからよろしくお願いします。」
そう言って一礼し、笑顔を見せる。

その瞬間、学園中の生徒から喜びの悲鳴が上がったのは言うまでもなかった。