冷たい君の不器用な仮面






「……ごめんなさい。とても嬉しい提案です。でも……私は受けることができません」








私はスッと頭を下げた。








後悔はしない。






自分で決めたんだ、頑張るって。









マスターはそんな私を見て、困ったような表情を浮かべ、首を傾げた。






「良い提案だと思ったんだけどな……どうして無理なんだい?」








「……私が決めたんです。高校出るまでは、ちゃんとあの仕事をするって。それに、これ以上マスターに迷惑はかけれません」










私はもう一度、すいませんと言った。









するとマスターはそっか、と笑い、私に目を向けた。







「いつでも募集してるからね。出来そうだったら、すぐに教えて?」







「はい…」









ありがとう、マスター。








ここは暖かすぎる。







レイもユウもマスターも、暖かすぎて。








ずっとここにいたら







ずっとこの幸せな温かいバーにいたら









……私はきっと、欲張りになってしまう