「ねえ涼那ちゃん。」 しょんぼりとしていた私に、ふとマスターが声をかける。 「そろそろ、教えてくれないかな?」 マスターが、私の顔を覗き込むように身をかがめた。 「……えっと、何がですか?」 私は首をかしげる。 ……マスターに隠してることなんて、あったかな? 何だろう……と考え込んでいると、マスターはゆっくりと口を開いた。 「……君が夜中に街に行っている理由だよ。」