「……っなんでも無い」
私は寸前のところで、ぐっと言葉を飲み込んだ。
……言ってはいけない。
……これ以上、巻き込んではいけない。
私はすうっと息を吸い込むと、飛び切りの笑顔を太陽に見せた。
「大丈夫だよ!心配かけてごめんねー」
ニコニコしながらいう私に、太陽は眉をしかめる。
「……ほんとかよー?」
疑い深そうな瞳で、私をじっと見つめる太陽。
私はそんな太陽の視線から逃れたくて、目をそらす。
「……うん。あっそれよりさー太陽!この前のテレビなんだけどーー……」
私は話をそらすように、ずいぶんと前に見たテレビの話を切り出す。
そんな私に納得していなさそうな顔をする太陽。
でも、私が無理やり話を続けているとはあっと大きくため息をつき、太陽は私の話に耳を傾けた。
ーーー……ごめんね、太陽。
私は心の中で、深く太陽に謝った。

