冷たい君の不器用な仮面









「………ありゃ、君……そういう事ね、ワケアリってわけか。まぁ僕はそっちの方が好きだけどねっ」






男が私の周りを歩きながら何か言ってる。






でも今の私には何も頭に入って来なかった。






怖い……怖い………コワイ コワイ コワイ!!!!





あの日の光景が




あの日の感覚が






次々と鮮明に蘇ってきて__








……ダメだ…意識がまた遠くなって__……






「ちょっとぉー寝られちゃ困るんだけど~まだ質問も何もしてないでしょ?」






その瞬間、男の気配が近づき私の前にしゃがみこんだ。







質…問……?





もうろうとしてきた意識の中で、目の前の男の言葉に耳を傾ける。







「姫の君に教えて欲しいことがあるんだぁ~君しか知らない情報♡…………答えてくれるよね?」








男の赤い目が暗闇の中で怪しく光る。








……姫……?



……情報………………?








この人達、さっきから何のことを言ってるの__?







「姫って…何?私は……姫じゃない……」









私は途切れる寸前の意識で口を開く。







体に襲う不快感も、吐き気も、全然治まってくれない。







より増大してきているみたいだ。







男のギラギラした目を視界に入れるたび、あの時の、あの人の目を思い出す。








……そう、まるで私をおもちゃとしか思ってないような……そんな目。









「あははっ!なぁにとぼけてんの~?姫じゃなかったら君は羅双の孫って噂されてる澪牙と一緒にいるわけないでしょ?」








___………?








羅双?








澪牙?








「……だから、なんの話を__……」











「もういいやっ。なんかめんどくさくなっちゃった~もう始めるよ?…答えないと君が痛い目に会うだけだからね……?素直がいちばんだよぉ!」







男はその瞬間、グイッと私に顔を近づけた。