「……涼那ちゃんは今、大事なことを忘れてるんじゃないかな」
私は想像していたのと違う、瀬戸くんの真剣な声に少し驚いた。
「……大事な…こと?」
私は首を傾げながら瀬戸くんの表情をじっと見つめる。
私が今忘れてる、大事なこと?
……そんなこと、あったっけ…
考え込む私に瀬戸くんは小さく頷き、視線を返した。
……しばらくの短い沈黙が流れた。
サワサワと揺れる葉が耳に響き、息をする音さえ大きく感じる。
さっきまで雲に隠れていた太陽がだんだんと顔を出し、私たちの顔を照らし出す。
そんな太陽から引かれる何本もの線が交差しあい、今私たちの元に垂らされているような感覚に陥る。
そんな光景の中で、瀬戸くんは静かに口を開いた。
「__……君は愛されてる、ってことだよ」
___……愛されてる…ということ…

