「__……えー、じゃあ瀬戸の席は桜井の後ろな。隣はいないけど、勘弁してな」
__ビクッ
急に名前が呼ばれ、私はおどろいて体を揺らした。
……え、何?なんにも聞いてなかった…
私がもう一度先生に言ってもらおうと手を挙げた瞬間、ガタッと後ろの席のイスが引かれた。
私は恐る恐る後ろを振り返る。
「よろしくね、涼那ちゃん」
そこにはニッコリとアイドルスマイルを浮かべた瀬戸くんがいた。
……うわ…嘘でしょ?
なんかこの人苦手なのに……
さっき関わらないでおこうって決めたばっかりなのに……
それに、嫌な予感しかしない
私はクラス中の女子から向けられる羨望の眼差しに、顔をひきつらせた。

