冷たい君の不器用な仮面








「__えー、今日からみんなのクラスメイトに加わる瀬戸 竜騎くんだ。みんな、仲良くするんだぞー」






「はぁーい」






みんなが目をキラキラさせながら、先生の言葉に返事をする。






特に女子なんかは、手と手を取り合い、飛び跳ねながら喜んでいる。









そんなみんなの視線を全身に浴びているにも関わらず、その転校生は涼しい顔で一歩前に出た。







「瀬戸 竜騎です。リュウって呼んでね。みんなよろしくー!」







「キャー!!竜騎くーん!よろしくぅ〜!」








瀬戸くんが手をヒラヒラと振ると、一斉に女子の黄色い声があちこちから飛び交う。







まるでアイドル会場に来た気分だ。







私はそんな女子たちを苦笑いしながら見つめた。






ほらほら、女子一同。いくら嬉しいからってそんなにあからさまに騒いじゃあ……








……ああ、ほらね。男子みんなしょんぼりしてるよ






せめて彼氏持ちの子は騒ぐのやめようよ。







__……まあ、確かに彼はイケメンだ。








………だけどさ、なんか雰囲気チャラくない?






髪は明るめの茶色だし、耳にはピアスだって付けてる。






確かにものすごく整った顔立ちをしてるけど、どことなく軽い感じの雰囲気。







さっきの女子の扱い方や喋り方からして、いかにも女慣れしてますって感じだ。






………正直、私の苦手なタイプ。






あんまり関わらないでおこうと心の中で決め、私は瀬戸くんから視線を逸らした。






そしてまた窓の外に目を向ける。







……早く学校、終わんないかなぁ