「なあ、涼那。」
ふと、黙っていた太陽が口を開いた。
私は閉じていた目を開け、太陽に向ける。
「何か、俺に隠してるだろ」
静かに、太陽が呟いた。
＿＿ドキッ
一瞬、胸が大きく鳴った
………隠してる…こと…
私はぐっと拳に力を入れる。
ある…あるよ、たくさん。
レイたちのことも、最近あった事件のことも
＿＿夜の仕事のことも
たくさんたくさん、隠してる。
……でも
「何も…隠してなんかないよ……？」
私は、嘘をつくんだ。
私は罪悪感におそわれ、思わず視線を太陽から外す。
＿＿本当に悪いと思ってるんだ。
こんなにも私と仲良くしてくれて、
こんなにも私を心配してくれる人、なかなかいない。
むしろ、太陽くらいなんじゃないかと思う。
……でも、だからこそ
だからこそ、言えないことだってあるんだ。
太陽はきっと、このすべてを話したら私をすごく心配する。
何としてでも私に仕事を辞めさせ、レイたちのことを警戒して引き離す。
………きっと、そうしてくれる。
でも、太陽にはこれ以上迷惑をかけたくない。
心配させたくない。
……＿＿だから
私は太陽に嘘をつき続けるんだ。
