冷たい君の不器用な仮面








***






「ふわあ……」









私は大きなあくびをしながら、通学路を歩く。








……昨日も仕事だったからな









ズキズキと痛む体を、私はそっと撫でた。






無理してるのは、わかってる。







でもやるしかないから……逃げる訳にはいかないんだ














「おーおーいつにも増して眠そうだな、おい」








聞きなれた声に、私は後ろに振り向く。






すると、太陽はよっと手を挙げ私の横に並んだ。






私もそんな太陽に挨拶を返す。





「おはよー、太陽。第一声がいつも眠そうだなってどうなの」







「しょうがないだろ、本当のことなんだから。お前いつも夜何時に寝てんの?」







「……9時」








「嘘つけ」






そんな軽口を叩きながら、2人で校門へと入る。






ちょうど登校ラッシュで、玄関はたくさんの生徒で溢れかえっていた。







「うわあ、混んでるねーどうする?あそこで時間つぶす?」






私はチラッと時計を見た。





時間はまだ7時40分。







完全登校まではまだ30分ほどある。






「あーそうだな。久しぶりに行くか!








太陽はそう言うと、くるっと体の向きを変え、中庭の方向に向かって歩き出した。