「……203号室……203号室……」







ユウは呪文を唱えるようにレイの部屋のナンバーを呟きながら、部屋を探している。






……やっぱり、ユウも目立つな







さっきから主に女性からの視線がすごい。





病院だと言うのに、キャーキャー騒いでいる人もいる。






看護師さんだって、ユウに釘付けだ。






イケメンはどこに行っても注目されて大変だな。







そんなことをぼんやり考えながらも、ユウの後ろについてエレベーターに乗り込む。







__……チーン







『2階です』






「降りるよー、涼那ちゃん」






「あ、うん」






ユウは私に一声かけ、さっさとエレベーターから出ていく。






私もその後を追って、狭いボックスの中から出た。








ユウはその後も地図を見ながらレイの部屋を探す。





私はそんなユウの後ろを黙ってついて行く。







歩く。






歩く。







歩く。









歩……………









「ちょっと!!ユウ迷ってるでしょ?!」








「………え?」









「え?!えって何!!もー迷ったんなら言ってよー」







私はユウの手から地図をとり、203号室を探す。








…あ、あった。えーと?










………………











「ここ真逆じゃん」