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「ねえユウ、前に私に話してくれたレイの話って本当なの?」
「…うん本当だよ。」
……ブルルル…
車が小刻みに揺れ、私の体を震わす。
私はそっかと呟き、また席に深く座り直した。
「なんでその事、レイは自分から私に話してくれないんだろう」
ただ単に疑問だった。
言ってくれれば良かったのに。
……そんな、辛い過去。
私はレイを助けに向かっていた車の中で聞いた、レイの過去についてを思い出す。
__女の人に拒否反応を起こすのも無理がない。
……そう思えるような内容だった。
私もレイに夜の仕事のこと話してないから、お互い様だけどやっぱり隠し事をされるのは悲しい。
やっと仲良くなれてきたのに、私とレイの間にはまだ厚い壁があるんだ。
「それは涼那ちゃんのことが気……ゴホンッ何でもない」
「ん?何て?」
「んんんん、少し口が滑っただけだよ。気にしないで!……まあ、そんな自分から話し出すような事じゃないからね。それに__」
「………?」
「なんとなく知られたくないことって、あるじゃない?」
………なんとなく、知られたくないこと………
なんとなく…か
少し、分かる気がする。

