プルルルル……
「…部屋に到着したよ」
『了解』
電話の奥から、ユウの声がする。
「…じゃあ今から突入します」
『待って、涼那ちゃん。』
「ん?」
『……お願いだから、無理はしないでね?』
…ユウの心配そうな声が、耳に響く。
「大丈夫だよ。ありがと、ユウ」
私は震える声を必死で抑え、平然を装った。
……大丈夫、きっと上手くいく。
この作戦を成功させて、レイを助けるんだから。
「じゃあ、切るね」
『……気をつけて』
私は通話ボタンを押し、電話を切った。
そして、目の前のドアをみつめ、大きく息を吐いた。
____行くぞ

