冷たい君の不器用な仮面







「……はぁっ!はぁっ!……はぁっ」










私は建物に入ったと同時にドアを閉め、近くの物陰に隠れる。








そして周りの様子を瞬時に確認した。








……本当だ。誰もいない。








打ち合わせ通りの状況に、私はホッと息をつく。








外ではまだスマホの着信音が鳴り響き、真っ白な煙に包まれたままだ。









しばらくは、ここには誰も来ないだろう。







私は物陰に身を潜めながら、息を整える。














……でも、暴走族たちに気づかれないよう全力で走ったから、なかなか息が整わない。








私は深く深呼吸をした。










「……ふうっ…」











熱くなった頭がだんだんと冷え、頭が冷静さを取り戻し始める。










私は警察官から事前にもらっていた地図を、静かに開いた。








……予定通りだ。ここまでは上手くいってる。









自分にしては、よくやれた方だ。







きっと、レイを助けたいという思いからここまで無茶な行動を出来たんだろう。








……自分でも今の自分に正直驚いてる。







いつもどこか人に頼って、自分から行動しなかったから。







人を思う気持ちって、改めてすごいなと思った。















……いけない、いけない!










まだ、気を緩めていいところじゃない。









ここからが、本番なんだから。











私はブンブンと頭を振り、キッと長い廊下を睨みつけた。