私がレイのバイクに乗せてもらって、とっさにシャツを掴んでしまったあの日から。 低く冷たい声で拒絶された、あの瞬間から。 ……ずっとなにかが、引っかかってた。 拒絶されたことに対してもショックだったけど、それよりも気になったんだ。 ーーあの時の、レイの声。 ……冷たいだけじゃなくて、怯えたような声だった。 私自体に怯えているんじゃなく『女性』に怯えているように あの一瞬だけは、私を見ていなかったように見えたんだ……