冷たい君の不器用な仮面








……レイしか知り得ない情報って、なんなんだろう。






私は、レイのことを何も知らない。








知っているのはレイの名前と、性別、あと年齢くらい。







家の事情についてはもちろん深くは聞いてないし、私だって話したくなかったから話そうとしなかった。






お互いにそれ以上聞かないでってレッテルを張り合い、踏み込もうとしない。







……それがいつのまにか私とレイの暗黙のルールのようになっていた。









苦しげな瞳をする君を。







完全に心を許すことをしない君を。







もっともっと知りたいって思ってるのに。








それが空ぶって、いつも空を切る。







私が何を聞いてもごまかし、流すレイ。







そんなレイの態度に、私は拒絶されているようでいつも悲しかったんだ。