冷たい君の不器用な仮面





***












…小刻みに揺れる車体が、私の体を小さく震わす。






もう随分と長い間車に乗っている。






少し酔ってきたようだ。頭が痛い。







私は頭を押さえながら、そっと顔を上げた。





『……ユウ。』







私は暗い沈黙を静かに破り、ユウに声をかける。








『どこに行くつもりなの?』








私は気になっていた疑問をユウに問いかける。






するとユウはいつもよりも少しだけ低い声で、答えた。









『暴走族たちの、溜まり場だよ。レイをさらった…アイツらのね』








ユウはグッと唇を噛み締め、ハンドルを強く握った。






『きっとそこにレイがいる。警察が逃げた車の追跡をして、アイツらのアジトを突き止めてくれたんだ』







『そうだったんだ…』







ユウはチラッと私の様子を見て、フッと息を吐いた。







『……涼那ちゃんには少し、話しておかなければならないね』






ユウはまっすぐ前を向きながら、話しだした。





『……アイツらがレイをさらったのは、情報が欲しいからなんだ。レイは特別な情報を持ってる。レイしか知り得ない、誰もが欲しがる情報を。……だから、レイは常に狙われているんだ』








『……情報……?』






『……ああ。それについては、俺から涼那ちゃんに言うことはできない。ごめんね』






『……いえ、大丈夫です…』





私は前のめりになっていた体を元に戻し、深く座席の座り直す。