全く何も聞かされていない。

「どこ行くの?」

「ちょっと歩くよ」

そう言って、歩き始めた菜々美と悠真についていく。

どこに行くんだろう?

何も会話がないまま、歩き続けること数分。

着いたのはたくさんのお墓があるところだった。

「墓地……?」

菜々美と悠真は少し歩いて、お墓の前で止まった。

「なんで墓地に……?」

「……柚季。落ち着いて、聞いてね」

「?」

菜々美は数秒悲しそうな顔をしてから、私の目をまっすぐ見て言った。