私、生きられる。

ドナーの人に感謝しなきゃ。

それから準備などが慌ただしく始まって、すぐに手術が始められた。

そして、6時間にも及ぶ手術は成功した。

数日後。

私はおなじみの病室のベッドの上で目を覚ました。

「柚季!」

「……菜々美……」

「私たち、また一緒にいられるよ!」

菜々美が涙を浮かべながら、そう言う。

「うん」

「よかったな」

そばには悠真もいた。

そこで、私は気づいた。

「……奏多は?」

大好きな人がいない。

いつもなら、そばにいてくれるのに。

ビクッッ!!

途端に菜々美が反応した。

その驚き方は尋常じゃなかった。

なんか、空気が重たい……?

そう思うと、菜々美が口を開いた。