柚季 side

あれから数か月が経って、季節は秋。

今日は10月23日。

半年持たないと思っていた命も頑張って生きていた。

1か月前から普通の生活ができなくなった体を病院のベッドの上で眺めていた。

あとどのくらいこの体は持つ?

もういつその日が来てもおかしくない。

「柚季ちゃん!」

私が体を眺めていると、病室に看護婦さんが慌てて入ってきた。

「どうしたんですか?」

「……ドナーが見つかったの!」

「え……!」

もう半年前から話が上がっていた心臓移植。

生きられるんだ……!

「すぐに手術したいんだけど……」

「はい!大丈夫です」

「じゃあ、移動するわね」