「……余命半年」

「!」

「もないって言われたって言ってた。それでも琉衣ちゃんは笑ってた。死ぬってわかってたのに……」

「……」

茂神さんはずっと黙ったままだった。

「琉衣ちゃん、こう言ってた。“るーが死ぬってわかったら、きっと優衣は壊れちゃうから。優衣はね、すっごくさみしがりやなの。だから柚季ちゃん、優衣と友だちになってあげてほしいな”って」

「……琉衣……」

「あと、こうも言ってた」

私は昔の懐かしい記憶を頭の中に浮かべて話した。

「“優衣ね、自分のことゆうって言うんだけど、その言い方がすっごく可愛いの”って。そういえば茂神さん、自分のこと“私”って言ってるよね?」

「……小さい頃は琉衣のこと、“るー”って呼んでた。それが気に入ってくれたのか、私のことを“ゆう”って呼んでくれるようになって……。それをお互いの一人称にした。でも、琉衣が死んでからそんなことどうでもよくなって……」

「私の復讐を考えたんだ」

「えぇ。でも……今となってはもうどうでもよくなった。だって、琉衣はどの道、死んでたんでしょ?」

「……」

私は何も言わなかった。