「多分、琉衣ちゃんが死ぬことになったのは、私のせいだと思う。私が倒れなければ、琉衣ちゃんは助かっていたと思う」

「なら!」

「聞いて、茂神さん!」

私が急に強く言ったから、茂神さんはしり込みした。

「な、何よ……」

「……こんなこと今更言っても、信じてもらえないかもしれない。琉衣ちゃんが何を抱えていたのか」

「琉衣が……?」

……言ってもいいのかな?

これはずっとずっと茂神さんを悲しませたくなくて、琉衣ちゃんが言ってこなかったこと。

……でも、これしか方法がない。

「……茂神さん。落ち着いて聞いてね」

「……」

茂神さんは、静かに私の言葉を待っていた。

「……琉衣ちゃんは知り合った時には、すでに病気だったの」

「……え?病気?」

茂神さんがその言葉に反応した。

「何言って……だって、琉衣は体が弱かっただけでしょ……?」

「……がんだって、言ってた」

「っ!」

「嘘……」

「嘘じゃないよ。これは琉衣ちゃんがお父さんとお母さんに言って、茂神さんに知られないようにしてたの」

「……」

茂神さんは、言葉を失っていた。