菜々美 side

迎えた夜。

「菜々美、もう大丈夫だよ」

「ありがと」

「おばさんたちは?」

「事情を話したら、OKしてくれた」

「そっか。なんかごめんね」

「いいって、いいって。私がいたかったから」

「それはよかった」

コツ……コツ……。

「来た……」

菜々美が小さくそう言った。

「柚季、嘘寝」

「うん」

私は嘘寝をした。

……ガラガラガラ……。

「……」

なんか、嫌な感じ。

「……やっと……やっと、殺せる!」

!!

私は危険を感じて、とっさに目を開けた。

包丁!

ヤバいっ!

止めなきゃ!

パシッ!

「……?」

音に気付いた柚季が目を開けた。