柚季 side

数分後

「ここで2人を待つか」

「ごめんね、菜々美。私なんかのために……」

「そんなこと言わないの。私をなんだと思ってるの?」

「えっ?お姉ちゃん」

「おいっ!……まぁ、それは置いといて……。私はなんとも思ってないから」

「……うん」

「おっ!見つけた」

「あっ!奏多、悠真」

「遅かったじゃない」

「ちょっと道を塞がれてて……」

「ったく……。じゃ、帰ろっか」

「うん」

「はぁ~。待たせてごめんの一言もない訳?」

「ごめんごめん」

「菜々美、もういいじゃない」

「……柚季がそう言うなら……」

「奏多も悠真も大変そうだね」

「あぁ、本当に大変だよ。モテるって罪だよな」

「悠真が言うか?それ」

「そう言う奏多は、モテるってどういう意味か知ってんのか?」

「いや、全く」

「悠真、聞いちゃダメでしょ?奏多は鈍感な上、恋愛の意味がわかってないもん」

「柚季の言う通り。悠真、奏多に恋愛のこと聞いてもダメ」

「あぁ、そうだった」

「……なんか、ひどくねぇーか?」

「そう?」

「そう?じゃねぇーよ」

「はぁ~、子どもね」

「クスクス」