菜々美 side

「柚季が意識不明!?どういうことだよ!!」

「柚季の両親からそう電話が来て……もう何がなんだか……」

「とにかく行こうぜ」

「……俺も行く」

すると今まで黙っていた奏多が口を挟んだ。

「奏多……」

「いいか?」

「……いいわよ」

柚季。

大丈夫だよね。

なんともないよね。

お願い。

無事でいて。

病室にて。

「柚季!」

「今、落ち着きました。数日後には、目が覚めるでしょう」

「ありがとうございます」

「おばさん……」

お医者さんとおばさんの会話を聞いているのが辛かった。