「そう、ですか……」

「合う人が来たら、声をかけますね」

「はい。ありがとうございます」

……パタン

「柚季、お母さんは帰るね。仕事あるし」

「うん。ごめんね、忙しいのに……」

「何、言ってるの。じゃあ、行くね」

「うん。頑張ってね」

「うん」

……パタン

……お母さん、絶対無理してた

多分、私の前で泣きたくないんだろうな……

そんなちょっとのことでさえ、申し訳なく思う

本当にいろんな人に迷惑をかけてるな……

私はぼんやりと窓越しに見える空を見上げた

……手術……かぁ……

心臓移植……

もう、すべてが嫌になってくる