あっ

今、柚季がご機嫌になった

ほんとに奏多、大好きだもんね

悠真は悠真で、肩落としてるし

でも奏多、柚季には弱いよねー

……よくわからないけど

「行こうっ!菜々美!」

「あっ、うん」

私は応えて、柚季の元へ行こうとした

すると……

「なぁ、菜々美」ボソッ

急に悠真に話しかけられた

「何よ」ボソッ

悠真が小声で呼んだから、つい私も声を潜めてしまった

「柚季、相当、奏多溺愛してねぇーか?」ボソッ

「あんたが言う?それ」ボソッ

ちょっと、あり得ない

「なぁ。柚季が俺を見るには、どうすればいいと思う?」ボソッ

「どうもこうも、無理よ。あんたが言うように、奏多を溺愛してるし……。無理だね」ボソッ

「まじかよ……」