「柚季、いつもの?」

「うん……ごめん」

「ちょっと待ってね。どっか探すから」

「……うん」

ほんと、菜々美には迷惑かけてばっかし

私には、菜々美がいなきゃダメみたい

「ここで、大丈夫でしょ」

「ゴホッゴホッ」

「大丈夫?」

「……ここなら、バレない?」

「うん。川が血を流してくれるから」

「ありがとう……ゴホッゴホッ」

「もうしゃべらなくていいから」

「ゴホッゴホッ」

そして、数分後

「……はぁ~」

「もう大丈夫?」

「うん。ごめんね、迷惑かけて」

「気にしない、気にしない。さっ、帰ろう」

「うん」

ちょっと……体が重い……

まぁ、なんとかなるか

「悠真に気づかれてないかなぁ?」

「どうだろ。あれでもちょっと鋭い方だからね。まぁ、大丈夫でしょ」

「そうだね」

私は残り1年を生きなきゃ

みんなとずっとずっと一緒にいたかったけど、私には時間がない……

残りの時間を精一杯生きる

そう決めたから……

みんな

私を支えてください

迷惑かけるけど、私の最後の願いを叶えてほしい

みんなと最期までずっと一緒にいたい

それが……

私の最後の望み