***
夜になった。
ここは東京とはやはり違う。
さまざまな虫の音が美しく合唱しているかのように、よく聞こえる。
たまにカエルの鳴き声が聞こえたりすると、私も真似してその合唱に参加したりした。
母がいつものように海光を抱っこし、寝かしつけている。
ただその日はなかなか寝付けない様子で、いつまでも泣き止まなかった。
「お母さん子守唄歌ったら?ねーむれぇーって!」
すると母は何か思い出したかのように、あ。と声を上げた。
「そういえば、光希歩が赤ちゃんの時に、よくお母さんが作った子守唄を歌ってあげたわ」
「お母さんが作った子守唄?」
「そうよ。まあ、それほど良い歌とは言えないけどね。当時は本当にこの歌に願いを込めたのよ」
「へぇ!どんなの?歌って歌って!」
母は私の方を見て優しい笑顔を見せた。
そして腕の中で泣き叫ぶ海光を包み込むような表情で見つめたあと、すうっと息を吸い、歌い出した。
夜になった。
ここは東京とはやはり違う。
さまざまな虫の音が美しく合唱しているかのように、よく聞こえる。
たまにカエルの鳴き声が聞こえたりすると、私も真似してその合唱に参加したりした。
母がいつものように海光を抱っこし、寝かしつけている。
ただその日はなかなか寝付けない様子で、いつまでも泣き止まなかった。
「お母さん子守唄歌ったら?ねーむれぇーって!」
すると母は何か思い出したかのように、あ。と声を上げた。
「そういえば、光希歩が赤ちゃんの時に、よくお母さんが作った子守唄を歌ってあげたわ」
「お母さんが作った子守唄?」
「そうよ。まあ、それほど良い歌とは言えないけどね。当時は本当にこの歌に願いを込めたのよ」
「へぇ!どんなの?歌って歌って!」
母は私の方を見て優しい笑顔を見せた。
そして腕の中で泣き叫ぶ海光を包み込むような表情で見つめたあと、すうっと息を吸い、歌い出した。



