俺は自分の机に視線を落とす。

岸元光希歩。
たしかに彼女はそう言った。
それが真実か否か。

「…そんでも、そんなん関係ないわ」

そうだ。
だって好きになったのだから。
不登校だろうがなんだろうが、俺は俺の目で彼女を知るんだ。

「そうやな。不登校ってだけで決めつけんのはおかしいしな」

机に向かって大きく頷く。


すっかり目が冴えたが、頭の中は光希歩のことで埋め尽くされていた。

そのまま適当に授業を聞き流し、九時半のチャイムがなり終わった。
広音は二限から別の予備校に行ったため、今日は一人で自習室に向かう。

学校の課題に向かって手を動かすも、どうしても集中できなかった。

そんな感じで、いつもと変わらぬ一日の終わりを迎えたのだ。