一瞬すぎて、耳から入ってきた内容が脳に届かなかった。 『岸元さん』って…言ってた…よね? 一気に暖かいものが胸のあたりから溢れ出して来た気がして、思わずガッツポーズをとってしまった。 私の歌が伝わった気がして嬉しかった。 そこで、落ちた人もいることに気づき、そっと腕をしたへ下ろす。 まだ一次審査だ。 この前も歌は受かった。 肝心なのは次の面接だ。 大丈夫。努力した私ならできる。 自分を信じて、私たちは面接会場へと向かった。