あの日の帰り道、きっとずっと覚えてる。

一人…また一人と入っては出てを繰り返す。
出てきた人達はみんな、別の控え室へと向かっていった。

「じゃあラスト、岸元光希歩さん。お願いします」

「はい」

名前を呼ばれ、部屋に入る。
そこには五人の審査員が、綺麗に私と私の足元を交互に眺めていた。

「岸元光希歩です。よろしくお願いします」

特に何も言われることなく始まった私の歌。

祈りを込めた歌。
ただ伝われ。
私の思いを。
たくさんの人の願いを。
どうか伝わってください…。