あの日の帰り道、きっとずっと覚えてる。

その言葉に翔琉は少し焦ったのか「ちょっとだけ話してもいい?」と私に聞いてきた。

私は無意識に頷いており、翔琉はおばさんを引っ張って離れたところでコソコソと話をする。

性格は全く違うけれど、お母さんという存在と話をする翔琉を見て、微笑ましかった。
羨ましくも感じる。

しばらくして、二人は私たちの元に戻ってきた。

「そっかぁ。色々大変やってんな。今までよう頑張ったな」

おばさんの言葉は、見下されているようには感じない。むしろ、暖かいものに包まれたような気分になる。

はい、と、やっと私はおばさんに向かって声を出すことができた。

「おばちゃんはな、大歓迎やで。無駄に広いくせに今は二人しかおらんし。でも、お姉ちゃんたちの叔父さんと相談しなあかんからなぁ。叔父さんと話せる機会ある?」

大歓迎、と言ってくれたことに海光と顔を見合わせて驚いた。
なんて素敵な人だろうと。
他人である私たちに、ここまでしてくれるだなんて。
でも、まだ叔父さんのことがある。
どうなるかなんてわからない。