あの日の帰り道、きっとずっと覚えてる。

そこには血走ったような目で、叔父に掴みかかろうとする海光がいた。

私はそれを止めようと、頭に血が上ったその子の腕を必死に引く。

「なんも知らんくせに…お父さんのことも、おばあちゃんのことも、馬鹿にすんなアホ!!」

なんてことを言うの!とは言えなかった。
私は何も言えず、ただ引き止めてることしかできない。

「そういう後先考えない行動をするところ、本当に父親そっくりだな。何も知らないくせに、だって?いいだろう。教えてやる。本当の奴らをな」

堪忍袋の緒が切れた海光を更に煽るようにして言った叔父。

「私とお前たちの父、泳介は顔も性格も全く違った。
泳介は運動神経抜群で友人も大勢おり、いつも遊び呆けていた。それは悪い意味ではなく、小学生なりの行いだったがな。
それに比べ私は臆病者、弱虫、人見知りと言われ、勉強しか得意とされるものがなかった。
私の父は遊んでばかりの泳介を好ましく思わなかった。そして跡継ぎは私だと、次男にも関わらず泳介のおかげで勝手に決められたんだ」