あの日の帰り道、きっとずっと覚えてる。


しばらくしてお通夜が始まった。
お坊さんと私たち三人だけのお通夜。
明日のお葬式もきっとそうなるだろう。

海光は泣くのを我慢しているのか、隣で鼻をすする音がする。

私の視線は、脚と祖母を行き来していた。

狭い部屋で、大層なお花が飾られているわけでもない。
母方の祖母の時とは明らかに差がある。
私に向かって微笑む祖母の遺影は、私が知っている祖母とは少し違う、若かりし頃の姿を写していた。

お坊さんの低い声が部屋中を駆け抜ける。
さようならの合図。
意外にもそれは呆気なく、一瞬のうちに過ぎていった。