【完】雨恋〜雨上がりの空に恋をする〜


こうなるから嫌だったのに……。
先生とのこと、誰かれ構わず話したいわけじゃない。
みっちゃんだから話したことだし。
まあ、こうなった時点で虎の耳に入るのも時間の問題だと思ってたけど。


「俺は許さないからな!」


「白峰校卒の白峰大のエリートだけど?」


「……そ、そんなの俺には関係ない。」


「雨は自分より頭のいい人が好みだけど?」


「お、俺だってやろうと思えば……」


「この前の中間の点数は?」


「……21点。」


「え、なにそれ、私聞いてない。」


「雨には恥ずかしいから言うなって、虎が。」


「ちょっ、お前言うなよ!!」


「虎、ちゃんと勉強しないと進級どころか留年だよ?」


「雨まで!」


お前らひどいぞっと言いながら机にうっつぷす虎。
その姿を見て私とみっちゃんは笑った。


虎はいい子だ。
ノリもいいし、優しいし。
なにより、こうやって文句言ってるけど。
とげとげした言い方をしない。