「ねえ、今から会えば?」

「今からですか?」

「ええ今から」

あやか先輩の目は真剣だった。
時計を見ると9時半だ。

「電話しなよ」

「ええ…無理、無理無理…ですよ」

首をぶるぶる振りながら
あたし、泣いちゃいそう。

携帯電話、机の上に置いていた。

きらりん。

その時、また鳴った。

恐る恐る見ると、やっぱり

しゅんからだった。

~いつものところにいるよ~
毎日、バイト終わりにあっていた。
それを、しゅんは続けていた。
ただ、今は別れ話をしたいがために
待っている

だけ。

「しゅんくんから?」

あやか先輩の鋭い目と声に
ただ頷く。

「行ってらっしゃい」

足がすくむ。