曖昧な記憶


保育所から一緒だった君は

私にとっていつの間にか

何にも変えられない存在までに

膨れあがっていた


幼稚園に通ってからの一番の想い出

それは誰もが一度は夢見る『結婚式』

あまり記憶にはないけど

きっとあの時の自分に戻れたら

世界で一番幸せな気持ちなのかもしれない

きっとこの時からだと思う

君に私が『初恋』をしていたのは

だから大切な君がいなくなる時の失望感は

何を埋めようとも埋まることはなかった

君が福井から岐阜に引っ越すと聞いた時

幼い自分でさえ理解して

大粒の涙を零した

どれだけ辛かったのだろうか

今ではそんな辛さも忘れてしまった

引っ越す前に君と過ごした1日は

今でも鮮明に覚えてる

あの時食べたチーズをのせたトーストは

一生忘れないと思う

いつかの再開を願って離れ離れになった

幼き私と幼き君