十人十色恋模様

「距離、縮めたいんだろ?ならお前が頑張るしかない」


「そう……ですよね。なんかハードル高い気がする」


「超えなきゃいけない壁だ」


一瞬、今の俺の発言に宇月が睨んだような気がした。


……まあ、俺も超えなきゃいけない壁はいくつかあるってことか。


「急に誘うのが難しいなら、こうしない?」


双葉はエッヘンと胸を張って話し出す。


この時、俺の中の何かが警告を鳴らした。


長年の付き合いから分かる。


これはあまり俺にとっていい方向に話が進まない。